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可愛いもの、美味しいものetc…。私の「好き」をぎゅうっとつめた宝石箱です。


by framboise73
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「夜のピクニック」恩田陸

f0114007_22303477.jpg 仕事と仕事の間にぽっかりと時間が空いてしまったら、手軽に読めそうな文庫を一冊買って喫茶店へ。これがお決まりのパターンです。この本もそんなときに手に取りました。2005年第2回本屋大賞受賞作。今秋映画化されているようです。
 舞台となるのは、とある高校で行われる学校行事「歩行祭」。昼夜を徹してただひたすら歩くだけの、過酷かつ地味なイベントです。卒業を間近に控えた3年生にとって、この行事は高校生活最後の思い出作りの場。登場する3年生たちは、80kmに及ぶ道程を「誰とゴールするのか」にこだわりながら歩き続けます。そして最後にささやかな奇跡が。
 ストーリーは極めて単調。「青春小説」と銘打っているだけあって、友情を確かめ合うような、こちらが気恥ずかしくなる台詞も散らばっています。でも辟易としてこないのは、恩田陸という人の技量なのでしょう。現実の世界には多々ある「心で感じていてもうまく言葉に表せないこと」を、筆者は登場人物たちにあっけらかんと語らせます。だから、小説の中で交わされる会話は現実以上にフレッシュ。「あの頃考えていたことってことってこういうことだったんだ」と妙にすっきりしました。「高校最後の」「思い出」「友情」がクローズアップされすぎるきらいはありましたが、私も彼らと一緒に歩きたいと思える一冊でした。
by framboise73 | 2006-11-16 22:33 | book&cinema