可愛いもの、美味しいものetc…。私の「好き」をぎゅうっとつめた宝石箱です。


by framboise73
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カテゴリ:book&cinema( 4 )

夏休みの日記6

f0114007_1591232.jpg8月17日(金) 宮部みゆき「名もなき毒」読了。

自身の内に秘める毒、知らぬ間に吐き出している毒、身の回りに潜む毒について考えさせられる作品。宮部みゆきらしく、あらゆる描写がいささか細かいけれども、それでも、最後まで一気に読者を引っ張る力を持っています。

こうしてのんびり本を読んでいられるのも今日が最後。明日には東京に帰ります。そして週明けから仕事が再スタート。平凡な毎日だったけど、これが幸せなんだよね。
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by framboise73 | 2007-09-22 02:06 | book&cinema

夏休みの日記3

夏休みなんて、もうとっくの昔のお話だけど、もう少しだけ。

f0114007_1551124.jpg8月13日(月)
伊坂幸太郎「グラスホッパー」読了。

 小説家には失礼な話だけれど、本を選ぶとき、私はまったくと言っていいほどストーリーにはこだわりません。書店でパッと開いてみて、目にとまった文章のフィーリングが自分と合えば買う…そんなスタンスです。

 伊坂幸太郎も、そうして好きになった作家さん。
この人のつむぐ言葉の軽妙なテンポとか、情景の描写とか、すごく好きです。一風変わった舞台設定、ちょっとシビアで皮肉なテーマ、本全体に張り巡らされている伏線、作者の主張の強さ。これらは、彼の本に共通する面白さであり、読み手にきちんと考えさせる力を持っています。
 
 ストーリーそのものは、一見するとハードボイルドなにおいがするものが多くて、この「グラスホッパー」も例外ではありません(だって、幾人もの「殺し屋」が登場するくらいですから…)。でも、「きちんと生きる」「生きているように、生きる」ことが、どれほど素晴らしいことか、そうでない者は「死んでいる」に等しいんだ…ということを、じわりじわりと訴えかけてきました。

 さて、次は何を読もうかな。
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by framboise73 | 2007-09-09 16:14 | book&cinema

沢木耕太郎「深夜特急」

 読み返したときに笑顔になれるようなブログが理想だったので、「ここにはネガティブなことは書かない」と決めていたのですが…ちょっとだけ弱音を。
 10日ほど前から、熱っぽい日が続いて体調がすぐれません(涙)。年に何度かこういうことがあるものの、37℃台後半の熱が10日も続くと体力的にツライ…。それでも、年末進行で繰り上げられた入稿日程に間に合うように、どこかぼんやりとした頭で原稿を書き、打ち合わせを数本こなし…。でもついに昨日、担当チームの忘年会を欠席してしまいました。お世話になったアシスタントくんの送別会も兼ねていたので、ほんとに申し訳ない気持ちでいっぱいです。

f0114007_17211667.jpg そんな中読んでいたのが、大学時代に一度読破した、沢木耕太郎の「深夜特急」(文庫全6巻)。主人公は香港からロンドンまで乗合バスだけで旅する青年(筆者)。バッグパッカーのバイブルとも称される紀行文です。70年代アジアの混沌とした雰囲気やインドという国の迫力ある描写に、見知らぬ土地への憧れが募ったのは言うまでもないこと。ヨーロッパに入ってからは、旅の終わりに焦りを感じ始めた筆者が、「旅」というものを説教くさく語るきらいがあってアジア編に比べるとやや失速しますが、「旅の楽しみ方」を教えられた思い出深い本です。


 前にも書いたように、私には「少しの間フランスで勉強したい」という野望があります。ただ最近、勉強の着地点が定まらないうちは時期尚早かな…と思うように。この本を読み返してみて、その思いが確信に変わりました。「旅の到達点」を決めずに出発してはいけない!

 実は来月、イタリアに行くことになりました(とは言っても、単なる旅行)。なので、フランスの話はちょっとだけお預けになります。具体的な形が見えてきたら、またここで報告させていただきます。
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by framboise73 | 2006-12-23 18:43 | book&cinema
f0114007_22303477.jpg 仕事と仕事の間にぽっかりと時間が空いてしまったら、手軽に読めそうな文庫を一冊買って喫茶店へ。これがお決まりのパターンです。この本もそんなときに手に取りました。2005年第2回本屋大賞受賞作。今秋映画化されているようです。
 舞台となるのは、とある高校で行われる学校行事「歩行祭」。昼夜を徹してただひたすら歩くだけの、過酷かつ地味なイベントです。卒業を間近に控えた3年生にとって、この行事は高校生活最後の思い出作りの場。登場する3年生たちは、80kmに及ぶ道程を「誰とゴールするのか」にこだわりながら歩き続けます。そして最後にささやかな奇跡が。
 ストーリーは極めて単調。「青春小説」と銘打っているだけあって、友情を確かめ合うような、こちらが気恥ずかしくなる台詞も散らばっています。でも辟易としてこないのは、恩田陸という人の技量なのでしょう。現実の世界には多々ある「心で感じていてもうまく言葉に表せないこと」を、筆者は登場人物たちにあっけらかんと語らせます。だから、小説の中で交わされる会話は現実以上にフレッシュ。「あの頃考えていたことってことってこういうことだったんだ」と妙にすっきりしました。「高校最後の」「思い出」「友情」がクローズアップされすぎるきらいはありましたが、私も彼らと一緒に歩きたいと思える一冊でした。
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by framboise73 | 2006-11-16 22:33 | book&cinema